syoinkaikan_logo_2.jpg

私たちは世田谷の“まち”とひと”に伴走する会社です。

松陰会館を語ろう

_47A9567.jpg

#03「どう考える?住む部屋と暮らす町のこと」


4月から松陰会舘に新しいメンバーを迎えました。
なぜ新しいメンバーが加わったのか、そこにある思いや
松陰会舘が考える不動産会社のあり方など、
住まいと町について、常務取締役 佐藤芳秋と新メンバー 坂田裕貴が話しました。



<話す人紹介>

_47A9697.jpg
佐藤芳秋
常務取締役・総合住宅設備事業部担当役員・コミュニティ事業担当。生まれも育ちも世田谷の世田谷っこ。インテリア業界で営業のいろはを学んだ後、家業である松陰会舘へ入社。目下の目標は「世田谷を耕すこと」
_47A9388.jpg
坂田裕貴
賃貸リノベーション事業担当。「妄想から打ち上げまで」を合言葉にデザインから工事までをおこなう集団Handihouseprojectを共同主宰する。2015年4月から松陰会館へ入社し現職へ。

松陰会舘に婿が来た!?
設計 内装の知識 技術を学ぶ

_47A9403.jpg
—4月から松陰会舘に新しいメンバーに坂田さんが加わったということですが、まずは経歴を教えていただけますか。

坂田:僕は、もともと設計やインテリアの会社に勤めていました。二社目を辞める際に、独立。その後、設計事務所出身者2人と現場監督出身者2人による、「HandiHouse project(ハンディハウスプロジェクト)」※という活動を始めました。僕らはそれぞれ出身が設計事務所と現場監督。職人ではありません。でも、職人としての腕も現場で磨きながら、ともに住宅やオフィス、店舗をつくってきました。

佐藤:坂田との出会いは二年ほど前。松陰会舘の持つマンションに入居したことから関係が始まりました。大家さんと住む人が一緒につくるマンションというコンセプトの物件があり、坂田はここの入居者になって一緒に部屋をつくってくれたんです。その後、同じような試みがあった際は、知恵を貸してくれたり、相談に乗ってもらうように。そして、4月から松陰会舘のスタッフとなりました。

—松陰会舘にそういうバックボーンを持つ人物を会社に迎え入れたのには、どういう思いがあったのですか?

佐藤:通常、物件ができる際は、不動産会社があり、設計士がいて、大工がいて、電気やガスなどインフラの職人がいます。そのうち松陰会舘は、不動産会社とプロパンガスを供給する職人の会社です。

坂田:流れで言うと、ちょうど最初と最後の部分。

佐藤:はい。真ん中にあたる内装や大工の技術や知識を多少なりとも身に付けられたら、自分たちでできる範囲を増やすことができたり、主体性を持って大工とともにチームをつくることができます。もともと当社は、ガスだけでなく、電気や水道の職人としての勉強もしてきましたから、その範囲をさらに広げていこうと。そうすることで、設計から物件の引き渡しまでの流れ全体を見通すことができるため、大家さんが分からないことがあったとき、いろいろと相談に乗ることができます。ですから今後、坂田のように設計と職人の両方の視点があり、技術がある人物は、当社にとって重要な役割を担うと思うのです。

坂田:僕もこれまでの経験が活かせると考えています。

佐藤:不動産会社は本来、住まいについて、さまざまな知識や技術・経験を持っていて「あなたの悩みには、こういう解決法がありますよ」とアドバイスできるゼネラリストであるべきだと思うんです。本当は松陰会舘でも、一人ひとりがゼネラリストになるよう努めていかなくてはいけません。一方で、当社の強みは家庭的であること。家族にはいろんな人がいていいわけです。もちろん、外部の人とコラボレーションして繋がることで知識や技術の幅を広げていくというやり方もあります。でも当社は、家族的であるためか、外部の人よりも中に入ってもらった方が話しやすい。だから坂田には、お婿さんに来てもらおうと(笑)。

坂田:なるほど僕は、婿入りしたということなんですね(笑)。

※「HandiHouse project(ハンディハウスプロジェクト)」:
家やマンションなどの建築の際、施主がいて、設計事務所、工務店、職人らでつくり上げる。この際、通常は職人が施主と相談しあうなど、関係を飛び越えて、コミュニケーションをとることはない。しかし、HandiHouse projectは、施主であるお客様とメンバーが並列の関係となり、チームとなって物件をつくりあげていく。また施主であるお客様も自分の住む場所に対して積極的にコミットするという特徴がある。
こうしたスタイルは、メディアなどでもたびたび紹介されるなど話題に。坂田は、現在もHandiHouse projectを共同主宰する一方、フリーランスから松陰会舘所属に。


“住む人不在”から
住む人が選べる環境へ

_47A9621.jpg—不動産会社のあり方に変化が必要という思いがあるということでしょうか?

佐藤:リノベーションをするとか、マンションを借りるとか、一般の人からすれば、簡単なようで複雑なことがたくさんあります。しかも、通常は不動産会社も、設計や内装のことを深くは知らない。だから、入居者から質問があっても、不動産会社にわかる範囲しか答えてくれません。

坂田:聞く方もそれが当たり前だと思っています。でも実際にはそうでないことも多いんですよね。

佐藤:そう。たとえば身近な例で言えば、よく賃貸の場合は、壁に画びょうをさしてはいけないと言われますが、本当はそうではなく、簡単に言えば借りた状態にして戻して返してくださいという契約なだけなんです。でも、不動産会社にきくと「絶対に画びょうはやめてください!」と言われます。本当にその答えでいいのか?ということなんです。入居者にしてみれば、「自分の住む場所なのに、不動産屋さんの解釈で決まるの?」ってことが多いように思います。“住む人が不在”になっているんです。

—それを変えたいと?
佐藤:はい、できるだけ選択肢を広げて、住む人不在から、住む人の感覚で選べる環境をつくっていきたいと思います。具体的には、当社は若林、松陰神社前、世田谷を900メートル四方で囲むと、だいたい100部屋ほどの物件を持っています。この中に、3つのアプローチの物件を増やしていこうとしています。一つは、学生さんが多いエリアですから安い物件。二つ目は、壁紙を選べるなどかっこ良くしたいという思いを叶えることができる物件。三つ目は、オーナーさん、大家さんと相談しながら部屋をつくることができる物件です。二つ目、三つ目の物件は、与えられるだけでなく、住む人が選べたり、一緒に考えたり、つくったりすることができます。

坂田:不動産会社であり、ガスの職人の会社である松陰会舘がこういう視点を持つことで、不動産から工事まで一括してできるようになるのは組織としてとても魅力的ですね。お客様にとっても価値のあるものを提供できる集団になるのではないでしょうか。

佐藤:はい。賃貸は、部屋を借りるってことなんだけれど、「大家さんのものをお借りします」っていうんじゃなくて、自分の思う部屋にできることで「自分のものになったなぁ」と実感できるのではないかと思います。そしてそれを次の入居者に引き継いでいく。次の入居者もまた、自分なりのインテリアに変えていける、そんなことができたらと。
また、そういう取り組みによって、結果的に、不動産会社と大家さんと入居者との関係を変えていきたいんです。

坂田:いいですね。
たとえば60歳以上の世代は、親が家のちょっとした修理をするのを手伝ったことがあったりします。でもそれより下の世代になると、できたものを買ってきたり、人に頼むのが普通。僕たちの世代はなおさらで、与えられたモノや考えをそういうものだと信じている。でも、たとえば、若い学生さんが松陰神社前に住んで、松陰会舘の物件を選ぶことで、これまでの固定観念から解放されたり、自分で判断する力を得られるといいなぁと思います。住まいに限らず、そういう思考の癖がつくといいですね。また、町全体でそういう雰囲気ができると、自由で心地いいだろうなぁと思います。


<次のページへ>